アナカリスは金魚藻と知られるほど日本人にとって馴染みのある水草です。
熱帯などに生息する水草に比べると育てやすいというメリットがあります。
具体的なアナカリスの育て方としては、次のようなものです。
- エビを一緒に飼う
- 照明は1日8〜10時間
- 水温は18〜28度
通常、水草を使ったアクアリウムには、照明、水流、二酸化炭素や肥料添加など、気をつけるべき点が多いですが、アナカリスはそれほど神経質にならなくても育ってくれるという特徴があります。
実際、私は30cm水槽で5年以上、フィルター無し、二酸化炭素添加無し、肥料添加無しという環境で育てることができています。
育て方1 エビを一緒に飼う
アナカリスをきれいに元気よく育てるためには、エビを一緒に飼うとよいです。
理由は、アナカリスの葉っぱや茎に付くコケをきれいに食べてくれるからです。
コケがアナカリスに生えてしまうと、見た目が悪くなるばかりか、光合成ができなくなり、育ちが悪くなってしまいます。
これを防ぐためには、エビのチカラが不可欠なのです。
エビはお掃除屋さんと呼ばれるほどの雑食性で、コケ以外のものも食べます。
たとえば、寿命などの理由によってエビが死んでしまった場合、他のエビたちがその死体をきれいに食べてくれます。
そして、エビのフンはアナカリスの肥料となります。
このように、エビはアナカリスを育てるにあたり、お掃除屋さんや肥料として重要な役割を果たしてくれるのです。
オススメはミナミヌマエビ
エビといってもいろいろ種類がありますが、個人的なオススメは、ミナミヌマエビです。
なんといってもコスパが最強。
最初に10匹ほど水槽に入れたら、春頃になるとメスが卵をもち、勝手に増えていってくれるので、補充する必要がほとんどありません。
また、アナカリスとミナミヌマエビの適応水温は大体同じです。
このように、アナカリスとミナミヌマエビはとても相性のよい組み合わせなのです。
ミナミヌマエビじゃないとダメなのか?
アクアリウムショップに行けば、ミナミヌマエビ以外にもコケを食べてくれる生体は販売されています。
基本的にはそのような生体たちでもアナカリスを育てることは十分できます。
ですが、私がミナミヌマエビ以外をオススメしないのは、次のような理由からです。
ヤマトヌマエビ | ほとんど繁殖しない。値段は少し高め。 |
チェリーシュリンプ | 寒さに弱い。値段が高い。 |
オトシンクルス | 寒さに弱い。値段が高い。エビほどコケを食べてくれない。 |
一方、ミナミヌマエビは、適度に繁殖し、値段も安く、水温の適応範囲も広いので、アナカリスと相性がとても良いのです。
エビにあげる餌は何?量はどれぐらい?
水槽内に生えたコケをエビが食べてくれるのならば、エビに餌をあげる必要はないんじゃないと思う人もいるかもしれません。
ですが、エビにある程度の餌は必要です。
アクアリウムショップに行けばエビ用の餌も販売されていますが、エビは雑食性なのでエビ用の餌でなくても構いません。
私の場合、金魚用の沈下性の餌が余っていたのでそれをあげています。
1粒が直径2mmほどの円盤状の餌です。
30cmの水槽にミナミヌマエビが50匹前後いる環境で毎日5粒ほど与えています。
与えた直後、9割以上のエビがワラワラと集まってきて一所懸命に食べています(笑
エビに与える餌は必ず沈下性のものにしてください。
浮上性の餌はエビには不向きです。
また、餌の与え過ぎはコケの発生が速まったり、水が汚れる原因となりますので注意しましょう。
部屋の害虫対策は絶対にダメ!
基本的に水槽のある部屋でゴキブリなどの害虫対策はやってはいけません。
バルサンなど広範囲な対策は当たり前として、ワンプッシュタイプの局所的かつ、ごく少量であってもダメです。
「水の中だし、ごく少量だったら大丈夫なんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、ごく少量であったとしてもエビにはビックリするほどめちゃくちゃ効いてしまいます。
魚は元気なのになぜかエビだけが毎日ぽつりぽつりと死んでいきます。
こうなるともう水換えをしても無駄で、最終的にエビは全滅します。
おそらく、体の構造が地上の虫に近いからだと思います。
ごく少量であっても害虫対策はエビにとっては致命的ということは覚えておいてください。
育て方2 照明は1日8〜10時間
アナカリスは比較的明るめの光を好むため、照明は必須です。
といっても、特別な照明を準備する必要はありません。
ごく普通のアクアリウム用のLED照明で十分です。
照明時間は1日8〜10時間程度です。
それ以上あて続けるとコケの発生が早くなってしまうおそれがあります。
夜は照明を切って1日のリズムを整えてあげてください。
育て方3 水温は18〜28度
水温は18度〜28度ぐらいであれば普通に育ちます。
とはいえ、アナカリスは海外の水草に比べて適応水温は広いので多少範囲を超えてしまっても問題ないでしょう。
なんてったって日本でも自生しているくらいですからね。
ただし、エアコンなどによる急激な温度変化は避けましょう。
育て方4 水換えは週に2〜3回
アナカリスはきれいな水を好みます。
週に2〜3回、全水量の3分の1程度の水換えをすると美しく育ってくれます。
水に黄ばみがある場合は半分程度換えてあげましょう。
スネールの卵が混入しないように注意!
アナカリスの入手時、スネールの卵が付着している場合があります。
スネールというのは、サカマキガイという小さな巻き貝のことです。
スネールは生体に何か害を及ぼすということはありませんが、水槽の壁面や水草に付着している姿はあまりよろしくありません。
また、一度水槽の中で繁殖してしまうと殲滅するのが困難ですので、アナカリスを入手したら、水槽に入れる前に入念に水洗いし、スネールの侵入を防ぎましょう。
ちなみにスネールの卵はゼリー状です。