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映画「本能寺ホテル」の名言!!

先日、アマゾンプライムで映画「本能寺ホテル」を見ました。

一言で言うとタイムスリップものの映画ですね。

恋人の父親の金婚式に出席するため、倉本繭子が予約していたホテルにチェックインしようとしました。

ところが、フロントで来月の予約になっていて今日はすでに満室と告げられます。

仕方がないので急遽、別のホテルを探すことに。

途方に暮れながら街をあるいていると、「本能寺ホテル」というホテルを見つけました。

利用者の人影はありますが、フロントには誰もいません。

ふと、フロントの向かいのテーブルに飾られているオルゴールが目に入りました。

オルゴールのネジを回してみますが、音が鳴りません。

「それ、鳴りませんよ。壊れているんです。」

ホテルの支配人が繭子に声を掛けます。

その後、空室状況を確認したところ空いているとのこと。

チェックイン手続きを済ませ、エレベーターで部屋に向かいます。

繭子がエレベーターのボタンを押した瞬間、壊れて鳴らなかったはずのオルゴールが動き出し、メロディーが流れました。

それには特に気づくことなく、繭子はエレベーターに乗り込みます。

そして、ホテルに来る途中で買ったお菓子のコンペイトウを1粒うれしそうに口に入れます。

エレベーターの扉が閉まり、静かに上昇し始めます。

指定された部屋のある5階について扉が開くと、そこはなんと天正10年6月1日の本能寺の景色が広がっていました。

天正10年6月1日というと、歴史上有名な「本能寺の変」の前日です。

わたしは歴史にメチャクチャ疎いですが、ざっくりとした内容は知っていました。

織田信長からいじめを受けていた家臣の明智光秀が、ブチギレして逆襲した事件です。

逆襲を受けた信長は、家臣に討ちとられる位なら自害のほうがマシ!っていう感じで、炎上する本能寺の中で自らの命を絶った。

確か、こんな感じだったと思います。

そんな事件の前日に繭子は、平成の時代からタイムスリップしてきたわけです。

信長って「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」という歌を詠んでいますよね。

だから、冷酷非道なイメージをもっていました。

でも、劇中の信長は少しイメージが違って見えました。

そして、信長がなぜ天下統一を目指したのか、その理由が垣間見えるセリフがいくつかありました。

それはわたしが今後、人生をおくるうえでヒントになる名言のように思えました。

本能寺ホテルの名言

映画「本能寺ホテル」には、個性豊かな人物がたくさん登場します。

倉本繭子、織田信長を始め、森蘭丸、ホテルの支配人、繭子の恋人の父親、出張マッサージ師などなど。

それらの演者も大御所ばかりです。

あと、 登場シーンが少ないチョイ役にもかかわらず、 チラシを配る男性役に加藤諒さん、明智光秀役に高嶋政宏さん、ナレーションに中井貴一さんとメチャクチャ豪華です。

というような状況ですが、この映画の中でわたしが名言として紹介したいのは全て織田信長に集中しています。

セリフが名言というレベルで、神がかっているな~という感想です。


できないんじゃない、誰もしようとしなかっただけだ

信長は繭子を京の町へと連れ出し、案内します。

信長自ら案内するってすごいですよね。

町には露店が並び、とてもにぎやかです。

二人ならんで串焼きを食べているシーンは、ほのぼのとして心が洗われるようです。

「やっぱり織田信長はすごい。普通の人には絶対にできないことをやり遂げようとしている」という繭子に、信長が問いかけます。

「絶対にできないと誰が決めたのだ?」

天下統一なんて誰にでもできることではないと答える繭子に、信長はただ単に誰もしようとしなかっただけだとあっさり言います。

日常生活の中でも、やったほうがいいとわかっていてもついつい後回しにしたり、やる前から諦めていることってありますよね。

確かに信長の言う通りなんですよね~。その通りなんですけど・・・

ぐぬぬ、正論すぎてなにも言えん・・・。


大きいとか小さいとか、関係あんのか?
自分のやりたいことに大きいも小さいもない
やりたいか、やりたくないか、やるか、やらぬか
それだけではないのか?

これも劇中の信長の言葉です。

信長が繭子に、やりたいことは何かと問いかけます。

先日、会社が倒産して無職になっていた繭子は転職活動中。

何の強みもないけど、とにかく職を見つけなければと思っている最中でした。

信長の問いに対して、自分には大きな夢なんてないと答えます。

そのときに信長が答えた名言ですね。

確かにそうですよね。

恥ずかしくて人に言えないような小さな夢でもいいし、逆に「無理だ無理だ !」 と人にバカにされるぐらいの大きな夢でもいいはずです。

それが本当にやりたいことなら、「やってもいいんだ !」 と気づかせてくれる言葉です。

わたしのこれまでの人生は、普通に学校を卒業して普通に就職し、普通に転職をしてきました。

とりあえずどこかの組織に所属していないといけないという固定観念がずっとあったんだと思います。

周りの人たちと良好な関係を築いて、毎日会社に行くことが正しいと思っていました。

でも、それが本当に自分のやりたいことなのかというと、それは違います。

これじゃないと気づいてから、わたしは会社を退職しました。

我慢すれば続けることもできたと思うんですけどね。

退職した後は、この先どうやって生活していくのか、今までに感じたことのない大きな不安でいっぱいです。

そんなわたしに、信長の言葉はやさしく背中を押してくれたように感じました。

そして、自分は間違ってなかったんだと強く思えることができました。


しかし、ワシの家臣たちは幸せには見えなかったか・・・

繭子と信長の出会いは最悪でした。

本能寺の中で「ここにいる人たちは全然笑っていない」と言った繭子は、信長を激怒させてしまい、切り殺されそうになります。

そんな信長が京の町を案内しているときに、ポツリとつぶやいた言葉です。

信長はこれまで天下統一に向かって進み続けてきました。

その天下統一が目前にせまって目標達成しようというとき、「あれれ?ひょっとしてやり方が間違ってたかも?」と自問していたんじゃないでしょうか。

繭子に正しい道というものを示すことが多い信長でしたが、逆に繭子の指摘を真摯しんしに受け止めていたんでしょうね。

また、信長の家臣、森蘭丸は信長のことを「冷酷非道で鬼のようなお方」と繭子にもらしていました。

でも、のちに「冷酷非道で鬼のようで、どこまでも付いていきたくなる唯一のお方」と繭子に伝えています。

信長は天下統一を目前に非業の死をとげますが、それまでのやり方はあながち間違ってなかったのかもしれませんね。


ただ知らぬだけなのかもしれぬ。そう思わぬか?

信長は繭子が落とした現代の観光チラシを拾います。

現代人ならすぐに捨ててしまうようなものですが、信長の時代にはあり得ないものです。

「未来から来たのだな?」と信長が繭子に投げかけます。

そばにいた森蘭丸は何のことかさっぱりの様子。

信長は繭子が何者なのか、とっくに見抜いていたんですね。

信長は疑う蘭丸に対し、世の中には知らないものがたくさんあって「未来から飛んでくる」ことも自分たちがただ単に知らないだけかもしれないと説きます。

実際、信長は外国人の存在や地球が丸いということも、つい最近知ったばかりでした。

とても信じがたいことだったとしても自分の無知を認め、それを知識として取り入れるという姿勢は見習うべきものだと感じました。

常にこういった考え方をしていたから、天下統一すら現実的なものにできたんじゃないでしょうか。

わたしはこれまで、生活していくうえでの知識はこれ以上必要ないと思っていましたし、勉強をないがしろにしてしまっていました。

そんな考え方を悔い改め、読書習慣を身に着けようと、ちょくちょく本を読むようになりました。

本を読んでいると、自分の無知さを痛感します。

過信せず、常に学び続ける姿勢は大切ですよね。


これは良い写真だな

観光チラシを見せながら、「この絵は、そちが居る未来の世界を描いたものであろう?」と信長が繭子に問います。

写真というものと教えられた後、信長が言った言葉です。

観光チラシに写っているのは、明るい世界で誰もがみんな笑っています。

そんな写真を見て、心の底からでた信長の本当の気持ちだったんじゃないでしょうか。

自分が作りたかった世界はまさに写真に写っているような世界で、それが遠い未来に現実化することを知ってメチャクチャうれしかったんでしょうね。

まさに信長の夢が叶った瞬間だったというわけです。

わたしも自分の夢が叶ったとき、そんなふうに喜べればいいなと思っています。

そのとき、この映画のこのシーンをもう一度見たら、たぶん号泣してしまうんじゃないかな (笑

本能寺ホテルのキーアイテム

映画「本能寺ホテル」には、いくつかのキーアイテムがあります。

まずは、「金平糖こんぺいとう」、「オルゴール」、「エレベーター」です。

繭子が天正10年6月、本能寺の変の直前にタイムスリップできたのは、偶然の条件が重なったからです。

タイムスリップするには、オルゴールが鳴っているときに本能寺ホテルのエレベーターに乗り、そこで金平糖を噛み砕くことが条件になります。

そうすると、エレベーターの扉が開いた先は天正10年6月の本能寺の空間につながっています。

一歩その空間に入り、振り返るとエレベーターの扉は消えてしまうので、元の世界に帰ることはできません。

ここで、もう一つのキーアイテム、「呼び鈴」です。

では、どうやって元の世界に帰るかというと、現代の本能寺ホテルのフロントにある呼び鈴を鳴らすんです。

当然、過去にタイムスリップ中の繭子は呼び鈴を鳴らすことはできません。

誰かが呼び鈴を鳴らした時、ようやく現代に戻ることができます。

つまり、タイムスリップしても自力では戻れないということですね。

映画とはいえ、面白い設定ですよね。

そして、最後のキーアイテムは、観光チラシです。

信長が現代の様子を知ることができる唯一のものです。

チラシってポストにしょっちゅう入っていますよね。

数日間ポストを放置していると山盛りになることもあります。

それらのチラシの中に大切な郵便物も混じっていたりして間違って捨ててしまいそうになることがあります。

チラシはとても迷惑なものに感じますが、信長にとってはとても大切なものだったわけです。

そう考えると、なんだか複雑な感じがしてしまいますね。

本能寺ホテルの世界観に興味津々

本能寺ホテルの世界観はとても魅力的です。

たとえば、現実には焼失してしまっている本能寺ですが、どこで撮影したんでしょうか?

その答えは、京都メディア支援センターの散策マップにありました。

https://ja.kyoto.travel/support/film/pdf/honnoji-hotel.pdf

本能寺

劇中の本能寺のシーンはたくさんあります。

過去と未来がつながっている廊下、お茶会の広間などです。

これらは1ヵ所の場所で撮っているのではなく、別々の場所で撮影しているようです。

京都府の東福寺、随心院、そして兵庫県の妙心寺、西教寺でそれぞれのシーンごとにとられているんですね。

1ヵ所で撮影されているもんだとばかり思っていたので驚きです。

料亭 吉岡

わたしが、劇中の建物で一番印象に残っているのは、繭子の恋人の父親が経営する料亭「吉岡」です。

広くてきれいな池のある庭園を眺めながらの食事はとても気持ちが良さそうでした。

実在する料亭なのかと思いましたが、そうではないようです。

撮影場所は京都府の東本願寺の「渉成園しょうせいえん」です。

う~ん。あの庭園で一度食事してみたかったなぁ。

ぶりぶりぎっちょう

劇中で「ぶりぶりぎっちょう」という遊びがでてきましたよね。

信長が京の町を繭子に案内しているとき、子供たちが遊んでいた遊びです。

それを見た信長はその遊びに必要な道具一式を持ち帰り、家臣たちに渡します。

信長も加わり、みんな夢中で遊んでいる姿は見ていて気持ちがいいものでした。

そんな「ぶりぶりぎっちょう」ですが、劇中だけの架空の遊びなのかなと思っていましたが、調べてみると実在した遊びなんだそうです。

漢字では、振々毬杖と書きます。

江戸時代ごろまで正月恒例の遊びとして残っていたということです。

木製の球体を、同じく木製でできたつち、つまりハンマーで打ち合うとかって・・・ (汗

体に当たったらめちゃくちゃ痛いと思うんだけど・・・。

人生のヒント「目標の明確化」

織田信長は天下統一を目前にして、明智光秀の反乱により命を落としてしまいました。

劇中の信長は、太平の世を望み、未来が自分の願ったとおりになると確信していたんじゃないでしょうか。

人生の目標は何ですか?と聞かれてわたしは即答することができません。

世の中のほとんどの人もそうなんじゃないでしょうか。

目標は持つべきものだとは思いますが、信長のような天下統一という目標はやっぱりわたしには大きすぎます。

そう言ってしまうと、「やるかやらぬか、それだけだ」と怒られてしまいそうですけど。

でも、信長は小さいとか大きいとかは関係ないとも言っていました。

確かに小さい夢なら、わたしにもできそうな気がします。

闇雲やみくもにあてもなく走り続けるよりも、まず目標を明確化するということが大切なんですね。

人からバカにされても、小さな夢だったとしても、自分が叶えたい夢を探していこう、本能寺ホテルの名言はそう思わせてくれるものでした。

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