わたしは基本的に人とのコミュニケーションが苦手です。
会社勤めをしていたときは、システム関係の仕事をしていました。
なぜシステム関係の仕事をしていたかというと、そういう仕事のほうが人とコミュニケーションをする機会が少ないだろうと思っていたからです。
実際はそんなことなかったりするんですけど。
そして、なぜかわたしがいた部署では雑談好きな人が多かったんです。
わたし以外は全員雑談好きって感じです。
もともとは違う席で仕事をしていたんですが、社内で席替えがあり、望んでもいないのにそんな感じになってしまいました。
雑談が苦手なので、初めのうちは絶望的な気持ちでしたよ。
仕事だけ終わらせてさっさと帰りたいという性格だったもんで。
もう、この職場では生きていけないのかもしれないなという考えもよぎりました。
雑談が苦手な理由
わたしが雑談が苦手な理由は、職場は仕事する場所なんだから雑談なんて必要ないと思っていたからです。
でも、じつはそれは自分を守るための言い訳だと気づきました。
自分の本音を深く探ってみると雑談が苦手な理由は他にありました。
何を話していいかわからない
会話が始まっても何を話せばいいかわかりません。
特に話せる話題なんてないからです。
仮に会話が始まったとしても、会話のキャッチボールを途切れさせてしまうじゃないかと怖くなります。
そういう恐怖から「しゃべりかけるなオーラ」を出していたんだと思います。
職場に親しい人がいない
家族や親しい友達が相手だと自然に雑談できますよね。
でも職場ではできません。
職場で雑談ができないのは、職場の人たちが親しい人たちに感じないからです。
親しくないので、プライベートはどんな風にすごしているのか、どんな能力があるのか、自分はその人の目にどう映っているのかなど、わからないことだらけです。
基本的に人間はよくわからないものに対しては恐怖を感じます。
わたしの中にもそういう恐怖はあったので、職場での雑談を拒んでいたというわけです。
仕事に没頭しているように見せることでその恐怖から逃げていました。
逆に周りの人たちもわたしのことは「よくわからない存在」だったはずなので、わたしに対してなにかしらの恐怖を感じていたのかもしれません。
こうなると、徐々に職場で孤立してしまいます。
雑談が苦手で孤立
午前中はずっとパソコンに向かってキーボードをカタカタ、お昼は一人でとって、午後からまた無言でキーボードをカタカタ。
たまにミーティングはありますが、それ以外の時間はほとんど無言でキーボードをカタカタ。
こんなふうに1日を過ごしていると時間が経つのがすごく遅く感じるんですよね。
こういう状況って精神的にもよくありません。
家に帰ってからドッと疲れを感じます。
雑談すればこういう疲れはないのかもしれません。
今まで雑談は必要ないと思ってきたけど、雑談ってひょっとして必要なんじゃないかという考えになっていきました。
職場で雑談できるようになるには?
職場で雑談は必要、そう考えるようになってからはわたしの行動は変わっていきました。
それからというもの、雑談が苦手だったにもかかわらず、だんだんと雑談に入れるようになりました。
心掛けていたのは次のようなことです。
基本的には聞き手になる
雑談が苦手なのは、何を話したらいいのかわからないからです。
でも、話題は自分で作る必要はありません。
雑談好きの職場なら話題は大概誰かがあげてくれます。
その話題に、「へぇ~、そうなんですね」、「ほ~、なるほど~」という相槌をうつなど、同調する感じで聞き手に回ればいいんです。
人は自分の話を肯定的に聞いてくれると気分がよくなるものです。
雑談が苦手な人って意外と聞き上手だったりするんですよね。
話しかけられやすい雰囲気をだす
雑談の苦手意識を克服するには、話しかけられやすい雰囲気をだすことが大切です。
作業に没頭したりすると自然に眉間にシワがよったりしますよね。
こんなふうに別に怒ってもないのに怖い表情をしていると誰も近寄ってきません。
わたしは、自分が怖い顔になっていないか、ときどき気にするようにしました。
あとは、本当に作業が忙しくて雑談にはいっていないときでも、ときどきみんなが笑っているときに、パソコンの画面を見ながらではありますが、一緒に笑うようにしたり、うんうんと大きくうなずくようにしていました。
こうすると、雑談には入っていなかったとしても周りに対して「今は忙しいけど、楽しんでいる」アピールができます。
周りも「あ、今忙しいんだな」とこちらにも気を配ってくれますし、忙しそうじゃないときはまた話しかけてくれます。
常に忙しそうにしたり、無表情、無言になると孤立する原因になるので、そういうところは気を付けるつけると雑談の苦手意識はなくなっていくと思います。
職場で雑談するメリット
職場は仕事をするところなんだから、雑談なんて無意味だと思っていたわたしですが、雑談するようにしてみてメリットを感じました。
コミュ力がアップする
当然ですが、雑談に入れるようになると苦手意識が無くなっていきます。
そうすると、会話のキャッチボールができて自分に自信がもてるようになっていきます。
人間社会で生きている以上、人と関わらずに生きていくことはできません。
雑談できるようになると生きやすくなるとも言えます。
社内の裏情報通が入ってくる
雑談しやすい相手という雰囲気を作っていれば、社内の裏情報を話してもらえたりします。
たとえば、人事異動などの発表があったりしたとき、なぜそういうことになったのかという経緯が聞けたりします。
直接的に関係ないことが多いですが、知らないことを知れるという優越感みたいなものはあるかもしれません。
なにかと優遇され仕事がやりやすくなる
雑談するようになるとなにかと仕事がやりやすくなってくることもあります。
同じ職場なのに敵味方と言う表現はよくないかもしれませんが、どこでも大なり小なり派閥はあるものです。
雑談に入っていれば周りからは味方と認識してもらいやすくなります。
雑談メンバーに上司が入っていれば、仕事の遅れとかあったとしても見逃してもらえたりします。
あとは、周りからちょっとしたお菓子をよくもらえるようになったり。
結局、雑談は得?
職場で仕事をするのは、いい成果をだして給料をたくさんもらうためです。
でも、いい仕事をしても給料は少ないという人も多いんじゃないでしょうか。
いい仕事をしていなくても、コミュ力の高い人のほうが給料を多くもらっていることも少なくありません。
仕事の成果で評価されるべきという考え方の人には辛い現実ですよね。
結局のところ、人間を評価するのが人間である以上、この現実は変わらないのかもしれません。
ちょっと複雑な感じがしますけどね。
でも、雑談は不要と思っていたわたしですが、雑談を心掛けた結果、雑談とは他人の警戒心をとくものであり、同時に自分が生きやすくするために必要なものだと思うようになりました。