「寝るまも惜しんで」という表現があるように、睡眠時間を削ってでもがんばることが美徳だとする考え方がある一方、忙しくてもしっかりと睡眠時間は確保するべきという考え方もあります。
最近のわたしは後者の考え方に興味がわいています。
朝起きても頭がボーッとしていたり、昼間、強烈な眠気におそわれるのは夜の睡眠に問題があるんじゃないかと思うからです。
現在の日本は他の先進国に比べて全然元気がありませんよね。
かつては世界第2位の経済大国であったにもかかわらず、あっというまに中国にその座を奪われました。
それだけにはおさまらず、今となっては「日本は先進国ではなく発展途上国になりさがった」という人もいるくらいです。
日本全体が暗い雰囲気に包まれています。
ブラック企業という言葉も定着し、働く人たちがサービス残業を暗黙の了解で受け入れてしまっていることも珍しくありません。
こんなことが続いていくと、睡眠不足の人が増えても不思議ではありませんよね。
でも、睡眠不足はよくないとわかっていても、いざ眠ろうとしても眠れないことってありますよね。
これには太古の昔から人間に備わっている体内時計が関係している可能性があります。
この体内時計が狂うと、眠りたいと思っても全然眠れなかったり、逆に眠ってはいけないときに強烈な眠気におそわれたりしてしまいます。
●体内時計の3つのリズム
人間に備わっている体内時計のリズムは1つと思われがちですが、じつは3種類のリズムがあります。
サーカディアンリズム
サーカディアンリズムとは約24時間周期の体内時計のリズムです。
多くの人がイメージするのはこのリズムなんじゃないでしょうか。
厳密にいうと、その周期はちょうど24時間ではなく、25時間ほどと言われています。
サーカセメディアンリズム
2つめのリズムはサーカセメディアンリズムです。
はい。舌かみそうな名前ですね。
サーカセメディアンリズムは半日周期のリズムのことです。
たとえば、朝7時に起きた場合、2時間後の午前9時に1度目の覚醒のピークがやってきます。
そして、2度目の覚醒のピークは午後9時にやってきます。
大事な仕事は午前中のうちにさっさとやってしまうのが効率的というわけですね。
ウルトラディアンリズム
ウルトラディアンリズムは約1時間半ごとの周期のことです。
3つのリズムの中で一番短い周期です。
たとえば今、眠気におそわれているなら、それは眠りの周期になっているからです。
1時間ほど経てば再び覚醒の周期がやってきます。
このウルトラディアンリズムの周期を知っていれば眠気で思うようにいかないことがあったとしても、少し安心できますよね。
体内時計はなぜ狂う?
1日周期のサーカディアンリズムは、地球と同じ24時間ではなく25時間です。
体内時計は25時間ごとに1日を刻んでいきます。
でも、地球の1日は24時間ですよね。
地球の1日よりも体内時計の1日は1時間長いんです。
このまま進んでいくと、1日1時間ずつ時間が狂うわけです。
そのうち地球は朝なのに体内時計は夜というおかしな状況を迎えることになります。
地球の時間と体内時間の周期のわずかなズレが体内時計が狂う原因なんですね。
体内時計の治し方
体内時計が狂うということはわかったけど、どうすればその狂いをなくせるんでしょうか?
狂ったままだと「朝だけど体内時計は夜」というおかしな状態になって、眠ってはいけないときに眠くなったりしていろいろと不都合ですよね。
体内時計の狂いを解消する方法は、朝に明るい光を浴びることです。
朝になると窓から朝日が差し込むという部屋は最高の環境です。
でも、寝室には朝日が入ってこなかったり、日が昇る前に起きないといけない人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そんな場合はスマートライトを活用する方法があります。
最近はスマホでタイマーを設定できる照明なども各メーカーから販売されています。
段階的に明るくできるものもあるので、そういったものを活用すれば、まるで日が昇ってくるような状況を演出できます。
ちなみにわたしはフィリップス社のHUE(ヒュー)を使っています。
冬の寒い時期って起きにくいですよね。
でも、目が覚めた時に部屋が明るいと起きやすかったりします。
というわけで、今回紹介した3つの体内時計の周期を知っていれば集中できるタイミングや眠るタイミングがつかみやすくなるんじゃないでしょうか。
そういう人が増えていけば日本ももっと元気になっていくんじゃないかなぁ。
集中と眠りのコントロールが人生を好転させていくためのヒントになるかもしれません。