全ての人間に平等に与えられているのは時間です。
人生を変えるためには、この時間を有効に使っていかないといけません。
ほとんどの人は1日24時間のうち、3分の1は睡眠に割いています。
忙しい毎日を送っていると他のことに時間をとられ、睡眠不足気味になることも珍しくありません。
睡眠中は意識がありません。
だから、睡眠を少なくしたほうが人生を楽しめると考えている人もいるかもしれません。
でもじつは、睡眠不足は脳の海馬に影響して、生活に支障をきたすことがあると言われています。
睡眠不足が海馬に影響?
2007年、プリンストン大学でラットによる睡眠不足の実験が行われました。
これによると、72時間眠らせなかったラットはそうでないラットに比べ、海馬の特定部分において脳細胞の生成が極端に少なかったというのです。
ちなみに海馬は記憶を司る脳の器官です。
あくまでラットによる実験なので、人間も同じとは限りませんが、睡眠不足の危険性が想像できますよね。
また、東北大学では、5~18歳の子ども290人に睡眠不足かどうかのヒアリングをしたあと、MRIで脳の写真をとり、脳と睡眠不足の関係を調べました。
その結果、睡眠不足気味の人ほど脳の海馬の体積が小さかったというのです。
海馬に影響がでるとどうなる?
睡眠不足が海馬に影響すると聞くと、ちょっと怖い気もしますが納得できるところではあります。
小学生などの幼かった時期は親のしつけだったのか、夜の9時ごろに寝ていた記憶があります。
朝起きるのは7時ぐらいだったはずなので、毎日10時間ぐらい寝ていたというわけですね。
睡眠時間のことなんて気にしていませんでした。
それがいつのころからか、成長するにつれて夜更かしするようになっていきました。
社会人になってからは午前2時ぐらいに寝て7時ぐらいに起きるという日々です。
1日5時間にも満たない生活を送っていたわけなので、きっと海馬は委縮しまくりなんでしょうね。
だからなのか、珍しく読書をしても記憶にはほとんど残りませんでした。
それ以前に挫折して本を読み切るということができませんでしたけどね。
そして、自分は頭が悪いんだと認めざるを得なくなり、どんどんネガティブ思考になっていきます。
新しいことにもチャレンジすることもなく、ダラダラと堕落した生活を続けてきてしまいました。
今考えると、うつ状態に近かったのかもしれないと思えるほどです。
睡眠不足が未来に影響
海馬は記憶を司る器官です。
プリンストン大学や東北大学の調査結果から、睡眠不足で海馬が委縮するというのは信憑性がありますよね。
睡眠不足が続くと記憶障害がでてくるかもしれません。
老化による物忘れというのはあるでしょうが、睡眠不足はそれに追い打ちをかけるわけです。
行く末はアルツハイマーというのも容易に想像できます。
「昨日の晩御飯は何食べたっけ?」ということはよくあります。
これは物忘れのレベルです。
でも、食べたにもかかわらず食べたことを覚えていないというのはアルツハイマーが疑われます。
近年では散歩にでて何度も通り慣れている道のはずなのに、帰り道がわからなくなる人もいるそうです。
高齢者に多いですが、若年性アルツハイマーという言葉もある通り、若くても油断はできません。
もし自分がそうなってしまったらと思うとゾッとしますよね。
睡眠ファーストの生活へ切り替える
睡眠は7~8時間とるのが良いと言われていますよね。
会社勤めをしている人の場合、睡眠時間を7~8時間確保するのは案外難しいものです。
以前のわたしはどちらかというと、朝起きてから仕事などその日にやるべきことをやり終えて、余った時間を睡眠にあてているという感じでした。
そういう感覚だったので睡眠は7~8時間必要という知識はあるものの、ずっと睡眠不足の状態が続いていました。
余った時間を使っているようでは睡眠不足は解消できないでしょう。
睡眠不足を改善したいなら、睡眠ファーストの考え方に切り替える必要があります。
1日24時間のなかでまず睡眠時間を決め、それ以外の時間を仕事など活動の時間にあてはめていくという考え方です。
どんなに忙しくても睡眠だけはしっかりととるということです。
たとえば、寝る時間を23時に定めたとしたら、晩御飯やお風呂の時間は逆算できるので必然的に決まっていきます。
そうなると、最悪でも何時までには仕事を終わらせて会社を出ないといけないというのも決まってくるわけです。
デッドラインが定まると絶対にそれまでに仕事を終わらせないといけないという意識が働き、ダラダラとサービス残業をすることも無くなるので効率的です。
寝る時間が長いと仕事を手抜きしているんじゃないかなどとネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
毎日遅くまで残業している人のほうが、じつは仕事の効率は悪くなっていると考えるべきです。
1日24時間のうち、どれだけしっかり睡眠時間にあてれるかということは幸せな未来を創っていくうえでとても大切なことなんじゃないでしょうか。